ヨーコとヒロシのアラスカ旅行(
2000年2月8日−13日)太陽黒点数も増え、そろそろ見頃ではないかと、念願のオーロラ観望に出掛けた。出来るだけ北で交通の便と宿泊施設のあるところを選び、月のない新月(
2月5日)の後を選ぶ。2月8日(火):地下鉄西船橋からJRに乗換え、船橋でエアポート快速に乗り換えて、成田
16:38到着。AA026便にてシアトルに向かう。AAならJALのマイレージが付きそうだが、JALでは例によって厳しくエコノミー団体券では無理とのことで、AAに付ける。ヨーコはAAに入ってないのでマイルは付かず。シアトルからフェアバンクス行きのアラスカ航空のAS093に乗り継ぎ、出発日と同日の17:50フェアバンクスに到着。見掛けは同じ日付けだが、途中で日付変更線を超えているので実際には家を出てから24時間程が経過している。シアトル空港で乗り継ぎ待ちの間、オーロラが見えるか見えないかは運次第で必ず見れるものではないと説明があった。分かってはいるが、少し前のツアーでは全然見えなかったと聞くと何とか見られるよう祈る次第である。ホテルに着いて少し休憩の後、直ちに今晩のオーロラツアーの説明とブーツ、コートの受け取りがある。オーロラツアーに先立って、丸の内の
JTBで説明会があったので、それに参加していたからどんな物かは分かっていたが、余りにも着膨れ状態で、二人で部屋で着てみて笑ってしまった。オーロラの説明があると言うので行ってみたら単純に写真が展示してあるだけで、特に詳しい説明は何も聞けなかった。撮影者は天文ガイドにも出てくる八板康麿氏であり素晴らしいものばかり。
21時頃集合し、マイクロバスでフェアバンクス郊外のスキーランドへ行く。途中でオーロラらしき葉巻のような雲を見ることができたが、初期のオーロラはそんなものだそうで必ずしも現れるとは限らない。スキー場のロッジが待機室でコーヒーや土産品の売店がある。このスキー場は平日は休みで休日しか開いていないが、夜だけは観望客の為に開けてくれる。外は雪が積もりやはり寒い。暗くて地形がよく判らず危険だ。着いてしばらくしてオーロラが現れ始めた。淡い緑色の雲のような帯が東西に連なり、地平付近ではカーテン状に揺れ動くのが判る。初めて見るオーロラに思わず歓声が上がる。写真を撮るためにオーロラを見ながら歩いていると急にヨーコが斜面に足を取られて滑って行った。助けようにもカメラを持ちながら、こちらも動けない。カメラを安全なところに置いてヨーコを助けに行く。何とか自力で這い上がってきた。
余裕が出てくると、周りの星座や地形、スキーリフトなどが見えてくる。時々ロッジで休憩し夜中の
1時頃まで堪能してバスが出るので帰る。他のツアーも混ざっているので、自分達の一行を見つけておくのが難しい。2
月9日(水):昨日オプショナルツアーでクロスカントリースキーを申し込んでおいた。12時に日本人の女性ガイドが車で迎えに来た。スポーツショップへ行ってレンタルスキーを借りる。スキー用の靴下を持って行ってなかったので、その店で買う。スキーを積んで行った所は、なんとアラスカ大学である。駐車場に車を置くとエンジンが凍らないようAC電源プラグがあってエンジンのヒーターにつなぐ。ガイドにスキーのつけ方を教わって、コースを歩く。滑るのではない!。要はアラスカ大学の構内に無料のクロスカントリースキーのコースが有るのだ。これでお金を取っているのはけしからん感じ。ヨーコは結構うまくて先生を追い越すぐらいだったが、こっちは全く苦戦。エッジのない細いスキーがうまく使いこなせない。後ろへの蹴りが弱いので1歩後退
2歩前進で効率悪し。途中で休憩をとってティータイム。ガイドが持参したおやつと暖かいコーヒーをのんで、これが軽食付きの内容。アラスカ大学のオーロラ観測用ロケット追尾用パラボラアンテナがあった。全体で2時間くらいのツアーだった。本来ならこれでホテルまで送ってくれるが、せっかくアラスカ大学まで来たので、ここでガイドと別れてアラスカ博物館に行った。因みにアラスカ大学のオーロラ観測所の所長は日本人で赤祖父先生である。大学で生協を探して売店に行き、記念の土産を物色。帰りはバスで帰ることにしホテルの近くのダウンタウン行きを探した。バス停でどれに乗るのか判らなかったが、観光客丸出しであったから親切な人がいて降りる駅まで教えてくれた。バス代
$1.5。おまけに運転手にこの人達をバスターミナルで降ろしてくれと頼んでくれたので、難なく到着できた。彼は日本に行ったことがあると話していた。ホテルの近くに歩いて行けるスーパーマーケットがある。路面はツルツルに凍っていて滑りそう。食料の買出しをして帰る。
ホテルの部屋の一つに貼り紙を出しているツアー会社(ミッドナイトサンツアーズ)を見つけた。JTBが契約しているAIE(
Alaska International Express)より安い! 即決で今夜のツアーはこちらに乗り換える。行き先は昨夜と同じスキーランド。AIEは1回、$75だがこちらは$70だ。6人乗りくらいのランドクルーザであるが天気が悪い。スキーランドのロッジに入ったり、外に出たりで時間をつぶす。途中で雪まで降ってきて観測は中止。安いけど全く無駄でした。AIEのガイドの人は昨日と同じだが、我々が別のツアーで来ているとは知らず声を掛けてくれる。フェアバンクスの街でも見えるチャンスはあるがホテルの近くは明る過ぎて星も見えない。それで毎晩オーロラツアーがオプショナルツアーとして用意されている。これはいい商売だ。この夜はオーロラが見られなかった代りに、大きなムースがゆったりと道を横切るのを目撃した。2
月10日(木):犬ぞりツアーに申し込み、11時に女の人が迎えに来る。かなり離れた郊外で猟師をしている人がいて、その人のトラックに乗り換えて家まで行った。家の周りには犬がたくさんつながれている。猟師は都会生活になじめないそうで、電気も来ていない辺鄙なところに住んでいる。と言っても自家発電装置を持っているのがアメリカ的である。家も自分で建てたそうだ。子供は学校へ行かずに家庭で教育を受けている。彼が捕った狼の毛皮を見せてくれた。狼のわなも見た。鋼鉄製のわなはスプリングが強くとても開くことが出来なかった。これに掛かると骨まで砕けてしまうと言う。さて犬ぞりが用意されると、どの犬も我先にと走り出しそうで大変元気である。鉄のフレームに板を渡しただけの簡単な構造のそりだが相当重そうである。掛け声を掛けると一斉に走り出した。進めと止まれ、右と左の4つの掛け声がありリーダーがそれを聞き分ける。がむしゃらに走るので相当なスピードである。そりから振り落とされないようにこっちも必死にしがみつく。面白い体験だった。もう一つ貴重な体験をしたのは、ダイヤモンドダストを見たこと。それも走り終わった犬たちが、ハアハアと吐く息と体中から立ち登る汗の水蒸気である。これがすぐにキラキラと氷の霧となって輝いていた。ヨーコさんは感激し、大満足でした。
帰りはサンタクロースハウスというサンタグッズばかりの店で時間つぶし。見るだけにして何も買わなかった。ここに迎えのガイドが来ていて合流。市街地まで送ってもらった。
この後、街の土産屋やギフト店を見物。食事を済ませてチェナ川の向こうのアラスカ鉄道の終点駅を見に行った。残念ながら鉄道は動いておらず駅も閉まっていて閑散としていた。
郵便局へ行って切手を買い絵葉書を出す。
この夜も、例の安いツアーに参加したが、今度はスキーランドではなく少し遠いチェナ温泉まで出て行くという。値段は同じということで我々は急遽これに合同して載せてもらう。ただし一行とは別行動で温泉のレストランには入らずに、もっぱら観測体制で時間待ち。待機用のロッジで暖を取りながら出現を待つ。何となく曇っているようで、星も見えない。
12時を過ぎる頃眠たくなってきたが、徐々にオーロラ出現の傾向が見られ、やがて天頂から空全体にかけて巨大な光の雲が現れた。空全体がうす緑色に明るくぼんやりとしていて、くっきりした帯やカーテンが見られない。背景の星も見えないから写真を撮ったがつかみ所のない寝ぼけた感じ。こんなオーロラもあるのだと思った。それでも頭上で光の乱舞を目の当たりにしてヨーコと一緒に興奮気味。<某抜粋記事>
初めてオーロラを見ました。太陽活動のピーク頃が良いとの「定説」があるので、月の無い夜の長い
2月を狙いました。しかし別の論文(National Geographic, Nov1998)では太陽活動とオーロラの発生頻度は関係が無いとか。さて3晩挑戦しましたが、結果は一応3晩とも目視確認は出来ました。但し、ヨーコ氏の報告にあるように2日目は観測地につくとベタ曇りで雪にまで降られて失敗。初日が一番の成功でした。天頂付近からオーロラが出現し変形しながら北天に移動し、消滅するまで2時間くらい堪能できました。カメラは機械式シャッターのボディーとレンズを防寒しホッカイロを入れて保温しました。私たちが行った時は現地の人は暑いと言っていましたが、大変な暖冬でマイナス40℃のつもりを覚悟していたのに20度も暖かく、極寒の世界は体験できませんでした。
被写体として難しいのは、想像以上に大きなことと、動きが速かったり遅かったり変化が激しいことです。背景に星が出ている時は、固定撮影のつもりで40秒〜1分の露出を掛けましたが、動く時は数秒で変化してしまうのでカーテン形状がハッキリ写りません。色は全体にグリーン(酸素の輝線)が主体で、写真では赤も認められました。オーロラの発光が空間的に限定されていることが必要で初日はコントラストも良かったのですが、3日目はオーロラが全天薄明の様に空を覆い、明る過ぎて星が見えず、形もハッキリしませんでした。月が無くても地上が明るく、こうなると単純に空のカブリだけを写しているようで写真はどれも曇り空を写したようでちっとも美しく有りません。双眼鏡でカーテン模様の微細構造の美しさを見ようとしましたが、ちょうど淡い星雲を見ているようで倍率が掛かると大きくなるが淡くなるので肉眼の方が良く見えました。どなたか行かれる人の参考になればと思います。
2
月11日(金)夜中の2時に帰ってすぐに寝て6時に起きる。7時には出発。ところが空港につくとトラブルが発生。8:36発のシアトル便が何とキャンセルされた。このためアンカレッジへ向かう羽目になる。12:49発のアンカレッジ便に変更されアンカレッジ空港で時間待ち。意欲のある連中はほんの3、4時間、タクシーでアンカレッジ市内の見物に出掛けたが、我々は空港内で時間つぶし。18:27発のシアトル便に乗り23時に到着。もう疲れて元気もない。本当ならこの日は午後半日シアトル市街の見物をする予定だった。2
月12日(土)せっかくシアトルに来たからシアトルタワーで食事でもしたかったのだが、行けなかったから早朝から少しでも行動する。モノレールに乗ろうとしたが全然来ない。どうも時間的に動いていないようだ。Pike Place Marketに行って見たが、朝が早くまだ店があまり開いていない。それでもみやげ店や朝市?を見て、スターバックスコーヒーの発祥の店に入った。東京では目に付く店だが、何の変哲もない古びた普通の店だった。10
時半にはホテルを出発、空港へ。AA027便であったが、どういう訳か航空会社で手違いがあり、二人はビジネスクラスに座ることになった。ただし前後に分かれてしまって喜びも束の間、不満の残る旅となった。2
月13日(日)成田空港着15:20。 旅行に戻る トップへ戻る