1966年の米国での流星雨以来33年ぶりに期待が寄せられたしし座流星群です。 ・・とさりげなく書いたが、実は33年間心ひそかに待っていました。アッシャー博士の出現予想に日本中で期待がふくらみました。
ヨーコとヒロシは世紀の大出現に備えて、11月14−15日の夜に童仙房(京都府南山城村)に出かけてまず予行演習を済ませました。この時は、夜の観測地探し(視界および暗さ)とカメラのセッティング練習が目的でした。 流星はまだあまり飛ばないので、早々に切り上げ、家からの所要時間や道順の確認をしました。この日しし群は2個見たのみです。さて極大予報の18−19日の当日、天気が悪いのでHRO(流星電波観測)を併用するため50MHzの機械を取り出しテストしましたが、何と長期間の保管中に故障していて動きません。何とか使えるようにと、その修理に最後まで時間を取られてしまいましたが、直らず結局はあきらめざるを得ませんでした。
インターネットでは京大のMUレーダーでいよいよ数が増えてきたことを知り、あせりました。電波がダメなので次に普通のビデオカメラではあるが、記録のためにハンディカムを準備しました。しかし、予行演習ではピント合わせがうまくいかないまま、何とこれも本番の日に故障してしまいました。 結局、眼視観測と写真撮影に落ち着いてしまったのですが、完璧な晴天の下で全く不発に終わった1972年のジャコビニ群を思い出して、今回は大出現ではなかったもののまだ少しはましな出現結果に一応満足しました。それにしても雲が多くて視界が狭かったのが悔やまれます。
NHKでもちょうど我々が観測を止めた頃に流れた大流星のTV撮影に成功し、盛り上がっていました。ヒロシはしし群の観測録音テープを2回聴き直して整理したが、何しろ5時間半の録音を2回聴いたので大変疲れた。カメラは5台(うちスペクトルカメラ1台)を動員したが、雲のために稼動時間が短く、中断時間が長いので、撮影コマが余ってしまい、12月のふたご群まで現像を延ばすことにした。
童仙房では西天および南天に絶えず雲が発生しており、大阪方面、奈良方面の照り返しがあって18−19日は14−15日の空よりも明るかった。雲が多かったので視野を補正すると、2名での観測であるが、1名での観測に近い数字だと思われる。実感としては、極大は4時以降にあるように思った。数10秒の永続痕が見られたものは2個あり。観測開始前の22時台に長大な火球を北極星の辺りに3個見た。ペルセ群よりはやや活発だったと思う。この日は夜8時前に会社から帰り、食事を済ませ、器材を車に積み込んだ。8時半頃に自宅を出発し、最短経路の山道を1時間半ドライブ。
10時過ぎに所定の場所に着いた。幸い誰も来ていなかったので、カメラのセッティング。空は曇っていたが、移動するなら青山高原を目指そうと思っていた。しかし、一旦セッティングしてしまうと動くのがめんどうになり、空も南天の雲が厚くて、北の方が晴れていた。TVのメッシュ情報だと、岡山が一番晴れていた。 しばらくすると、誰も来ないような所なのに、車が進入してきた。我々に気付いてライトを消してくれたので、天文関係者と判った。人が降りてきて 撮影していますか? 流れますか?と声を
掛けてきた。曇っているのに写している訳がない。その後も次々と車がやってきて狭い場所が満員になってしまった。7台程入ったところで、まだ3台程やってきたが、もう停める場所がなかった。帰りにも多くの車が路上に並んでいるのを見た。普段なら1台もすれ違う車のない林道なのに、朝の5時前に10台くらいの車を見た。やはりしし群でこんなところでも日本列島がフィーバーしているのが実感できました。ヒロシは仕事があるので会社へ行かねばならず、帰ってすぐに寝て昼から出社しました。
観測地:童仙房(京都府相楽郡南山城村) 最微星6等
観 測 デ ー タ |
観測時間 | しし群 | 散在流星 | 全流星 | 雲量 |
23:00-23:30 | 1 | 0 | 1 | 5 |
23:30-24:00 | 2 | 1 | 3 | 4 |
00:00-00:30 | 7 | 3 | 10 | 4 |
00:30-01:00 | 8 | 3 | 11 | 2 |
01:00-01:30 | 17 | 3 | 20 | 0 |
01:30-02:00 | 15 | 2 | 17 | 1 |
02:00-02:30 | 15 | 2 | 17 | 2 |
02:30-03:00 | 10 | 1 | 11 | 3 |
03:00-03:30 | 13 | 1 | 14 | 4 |
03:30-04:00 | 17 | 2 | 19 | 5 |
04:00-04:30 | 9 | 1 | 10 | 5 |
合計 | 112 | 21 | 133 | |
 北斗七星のしし群流星 |
 こぐま座のしし群流星 |
 北斗七星のしし群流星 |
 輻射点に近いしし群流星 |